太陽光の方向性反射
Stars-AOデータ利用WGから
太陽、観測対象、人工衛星の空間的位置関係を観測幾何あるいは観測幾何条件と呼んでいます。なにげなく衛星画像を眺めることも多いのですが、人工衛星が地表面を観測する場合、太陽光がどのような角度で地表面を照らしているかが結構重要になってくることがあります。例えば、同じ地面を観察したとき、日向方向から見たときと日影方向から見たときの明るさ加減が違って見えるという経験はありませんか?
こういう反射の方向性を定量的に表現したものをBRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function)、日本語では二方向性反射分布関数とか双方向反射分布関数と呼んでいます。衛星画像データの利用方法は多岐にわたりますが、精密な植生診断を行いたい、というときにはそういった光の反射特性は重要なファクターとなるんですね。
Stars-AOで地球を撮影したときにも、撮影したデータから科学的に意味のある情報を引き出すために反射の方向性を考慮する必要があると思われます。それで、Stars-AOが日本上空を通過するときの観測幾何条件について予測しておくことはその後のデータ解析上とても有益なことでしょう。ここに、Stars-AOプロジェクトの学生メンバーが行ったStars-AOの軌道シミュレーション結果の一例を示します。
こういう情報から、Stars-AOが直下を撮影するとき、地表面に対して角度を持って撮影するとき、などなど、画像データから地表面を分析する上で考えるべきことがたくさんあることに気付きます。