「リーズナブルな軌道上望遠鏡」
~超小型衛星活用の一例として~
Stars-AOは機体の大きさが10cm×10cm×10cm程度という非常に小さな人工衛星です。
カメラの技術進歩により、このような超小型衛星に搭載可能なサイズのカメラでも天体撮影が可能となってきました。
静岡大学能見研究室ではこれまでStars-Cなどの複数の衛星を開発してきました。Stars-AOでは、近年の民間による宇宙開発の潮流を重視し、超小型衛星活用の一例として「リーズナブルな軌道上望遠鏡」をコンセプトに開発を進めています。
天体観測 ~ミッションその1~
大型衛星による天体観測はすでに数多く行われています。しかしこれらは高機能である半面、高額な専門ミッションとして実施されるものであり、気軽に利用できるものではありません。
超小型衛星による天体観測では次のような効果が期待できます。
- 地上と同様のコスト・頻度での撮影
- 大型衛星が対象外とする天体の撮影
- 大型望遠鏡では困難な、広視野での撮影
Stars-AOはメインカメラとしてワテック社製 WAT-910BD を搭載し、「リーズナブルな軌道上望遠鏡」として地上とは異なる軌道上でありながら、地上と同程度のコストや頻度での天体観測を目指します。
高速なデータ伝送 ~ミッションその2~
ところで、撮影画像という大容量データをいかにして地上に伝送するかが課題となります。
Stars-AOではアマチュア無線を利用した高速通信を実現することでこの課題の解決を目指します。
サブカメラによる地表撮影
Stars-AOには天体観測を行なうメインカメラのほかにサブカメラも搭載しています。
平成30年度打ち上げ予定
Stars-AOはGOSAT-2/Khalifasat相乗り衛星として平成30年度に打上げられる予定です。
(GOSAT-2/Khalifasat相乗り超小型衛星)
構成/基礎データ
軌道データ
- 軌道の傾斜角:97.84 度
- 周期:97 分
- 高度:613 km
通信設備:高速無線機(115.2kbps)通信実証実験
- ダウンリンク周波数:437.200 MHz
- 対応無線機:市販のSDR + 独自GNU Radio(近日、本ページにて頒布予定)
- 対応ソフトウェア:独自アプリ(近日、本ページにて頒布予定)
CW/telemetry
- ダウンリンク周波数:437.350 MHz
- 対応無線機:市販のアマチュア無線機
- 対応ソフトウェア:なし