超小型衛星とは
超小型衛星はCubeSat(キューブサット)とも呼ばれ、一辺10cm立方体を1個~3個並べた程度の大きさで重量も1~4kgくらいと、極めて小さな人工衛星です。
電子部品の技術革新が進み、このような小さな機体でも様々な機能を実現できるようになりました。
これまで人工衛星の開発は国家規模のプロジェクトとして行われるものでした。しかし超小型衛星は開発や打ち上げのコストが大幅に抑えられるため、民間の企業や研究機関などが独自に衛星を開発・運用することも可能となります。
開発が安く・早く
超小型衛星は多くの場合、市販の汎用部品で組み立てられます。スマートフォンの普及などを背景に電子部品の低価格化・小型化・高性能化が進み、超小型衛星も機体を安価に製造できるようになりました。
打ち上げにつきましても超小型衛星はサイズが小さいのでコストが抑えられます。通常、超小型衛星は大型衛星打上ロケットに相乗り衛星として搭載されたり、国際宇宙ステーション(ISS)まで運ばれてISS「きぼう」から放出される形となります。開発コストを含まない打ち上げのみのコストは概ね1Uサイズで数百万円~2千万円程度と見込まれます。
また機体は小さく構造もシンプルであること、多くが市販部品を使うので部品の開発は必要ないことなどから、開発期間も1~2年程度で済みます。
人工衛星の利活用はより一般化へ
1990年代からのパソコンの普及、2000年代からのインターネットの普及、2010年代からのスマートフォンの普及と、技術が低価格化して社会に普及していくにつれて多様な新規サービスが登場し、それに伴い社会や企業も大きく変容してきました。
超小型衛星やもう少し大きい小型衛星の登場により、人工衛星の利活用はより一般化し、様々なサービスがあらわれてくることが予想されます。
超小型衛星の開発
超小型衛星の開発にあたっては、機体の設計~組立だけでなく、JAXAによる安全審査への対応や宇宙活動法に関する申請なども必要となります。
- JAXAによる安全審査
- 宇宙活動法に関する申請
JAXAによる安全審査は、JAXAが打ち上げるロケットに衛星を搭載する際に必要となるもので、JAXAが求める安全要求に対して衛星が適合していることを示すため、数多くの設計書などの文書や検証試験の実施が必要となります。
宇宙活動法は今秋(平成30年秋)より施行となる法律で、人工衛星の場合は衛星軌道投入から運用終了まで正しく管理が行われることが審査されるもので、こちらも申請に併せてさまざまな文書の提出が必要となります。