FM機組み立て・組み上げ編その1!~テグスと溶断用ヒーターと分離スイッチ~
今回から、組み上げを開始します。
まずは、本衛星の唯一の可動部である展開機構からの組み上げです。今回は、2種類あります。
- アンテナ展開機構
→テグス溶断による展開とタクトスイッチによる検知 - 分離検知機構
→ばねによる分離ピンのリリースによる展開とタクトスイッチによる検知
アンテナ展開機構は、こちらがタクトスイッチとなります。(分離検知機構のタクトスイッチと同じ)

非常にわかりにくいが親指の下がスイッチ
ポイントは、この小型サイズでありながら、ロケット発射時の振動により誤作動しないレベルの接点ホールド力が必要な点です。この仕様を満たすタクトスイッチはほとんど選択肢はありません。電子工作などをやっていると感じる日本の電子部品の尖った性能のすごさを感じるところでもあります。
溶断機構は、コイル状にしたニクロム線を二重にして、挟み込む形となっています。

コイル状に巻かれたニクロム線
コイル状になっている理由は、宇宙は真空であるため、少しでも離れていると熱が伝わらず、溶断できないため、「1点接点」ではなく「多点接点」としたかったためです。
二重になっている理由は、アンテナが展開できなければ、ほぼ通信が出来ず、ただ宇宙の漂うだけの箱と化してしまうため、失敗は許さないためです。

アンテナ部に仮止めされた溶断機構
分離検知機構は、ちょっと複雑です。そのため構体の加工費がお高くなってしまっている原因の一端でもあります。

左上に見える黒いのがタクトスイッチ。
そのさらに上にある銀色の支柱が分離検知ピン(左下のものも同様)

右下に見える黒いのがタクトスイッチ。
そのさらに右にある銀色の支柱が分離検知ピン(左下のものも同様)
本衛星は、相乗り衛星であるため、J-POPと呼ばれる物の中に入れられて、ロケットのフェアリング部分に固定されます。(この辺の図を参照。)
このレール部分にピンとばねが入っていて、J-POP内に入っているときはこのピンが押し込まれているので、タクトスイッチがOnの状態となっており、J-POPから放出されるとばねの力によりこのピンがリリースされるため、タクトスイッチがOffとなり分離状態を検知します。
これにより、衛星が起動状態となり、起動シーケンスへと移っていきます。このあたりは、次回に!