FM機組み立て・部材準備編その4!~太陽光パネル編~
最後は、最難関の宇宙機向けの太陽光パネルの準備です。
何が、難関かと言いますと、非常に薄いガラスでできていますので、ちょっと力をかけただけで割れてしまうのです。そのため、割れないような追加加工が必要なのですが、割れないようにも扱わなくてはならなず、非常に難度の高い作業となります。
ちなみに、一般的な太陽光パネルとの違いですが、一般的な太陽光パネルはシリコンの単結晶でできています。ですが、こちらは複数の結晶で来ているそうです。そのため、いろいろな波長の光で発電するため、発電効率が3倍くらい高いそうです。
●電極の貼り付け
並列接続や直列接続など、用途によって変えたりできるように電極は自分でつけなくてはいけません。
しかも、薄いですので、はんだが山になってしまうとそこで割れてしまうため、薄くつけなくてはならないうえに、はんだ付けには銀はんだが指定されており、難度が高くなっています。
●絶縁対策のカプトンテープ貼り
続いて、太陽光パネルを張り付ける板は、アルミ板ですので、そのまま張り付けては電気が流れてショートしてしまいます。そこで、絶縁用にカプトンテープを貼ります。しかし、手作業で貼るため、気泡が混入している箇所があり、これをつぶす必要があります。
なぜなら、宇宙空間で当たる太陽光は強烈であり、太陽光パネルはかなりの熱を持つこととなります。そして、その熱が、この気泡にも伝わり、熱膨張します。そうすると、このカプトンテープの上に貼られている太陽光パネルが押し上げられ、破損してしまう可能性があります。
そこで、ベーキングして気泡を膨らませた後、針などでつついて気泡をつぶさなくてはいけません。非常に根気のいる作業です。
●クッション性のあるシリコンボンドで貼り付け
最後に、太陽光パネルをカプトンテープを貼ったアルミ板に接着します。そして、ここでもまた特殊なボンドの登場です。
理由は、宇宙空間では太陽光が当たると温度が大きく上昇し、当たらなくなると温度が急激に下降するため、張り付けている金属板(アルミ板)が熱収縮をしてしまいます。そうすると、その上に張り付けた太陽光パネルに応力がかかるため、非常にガラス層の薄い本太陽光パネルが破損する恐れがあるのです。
そこで、クッション性のあるシリコンボンドを用いることでその応力をを吸収しようというわけです。しかも、宇宙では紫外線などの有害光線も非常に強いので、その耐性も求められるのです。そのため、特殊なボンドが必要となります。
あとは、この太陽光パネルのように真・洗浄を行い、組み立てていきます。